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中高年の排尿の悩み

 

中高年男女の排尿のお悩みについて

「尿失禁は泌尿器科専門医を受診すれば8割の方はよくなります。」

 

「尿が近い」「夜間にトイレに起きる」「尿がもれる」「尿の勢いがない」「時間がかかる」など、排尿の問題で悩んでいる方はたくさんいます。
日本排尿機能学会の調査では、夜間頻尿がある人は4,500万人(日本人の約3割の方)、日中の頻尿は3,300万人(日本人の2割の方)、おしっこに勢いがない人は1,700万人(日本人の約1割の方)、おしっこがもれる人は1,000万人(日本人の約1割の方)もいます。いずれの症状も年齢を重ねるにしたがって増えていき、60歳以上では約8割の方が何らかの排尿の問題を抱えていることが報告されています。

 

・尿失禁

 

尿失禁は自分の意思に反して漏れてしまうことをいいます。女性に多く見られますが、男性にも認められる症状です。健康な女性への調査で約4人に1人が尿もれを経験していましたが、医療機関を受診したり、治療を受けた方はわずか5%程でした。

「年のせいでどうしようもないと思っていた」「どこを受診すればいいか分からない」などが受診しない理由としてあがっていました。

尿失禁に関してはは泌尿器科専門医を受診し、適切な治療を受ければば80%はよくなりますので、少しでもお困りな際は早めに受診されることをおすすめします。

治療は、骨盤底筋体操や膀胱訓練などの行動療法、膀胱の収縮を抑える薬などを用いる薬物療法、手術による外科的療法などがあります。また、尿とりパッドによる皮膚トラブルなどもあるため、適切なパッドの提案などがあります。

 

・夜間頻尿

 

夜間頻尿は、夜間に排尿のために1回以上起きなければならないという訴えです。年齢とともに夜間頻尿の回数は急上昇し、回数が増えるごとにQOLは低下します。2回以上の夜間頻尿は70代の男性の約6割(女性では約5割)、80歳以上では約8割(約7割)と報告されています。

夜間頻尿は前立腺肥大症や過活動膀胱などの尿路の病気によっても起こりますが、糖尿病、高血圧、肥満、睡眠時無呼吸症候群などの基礎疾患もリスク因子になります。逆に夜間頻尿がある事が、うつ、転倒骨折、睡眠障害などのリスク因子となります。

また、スウェーデンの研究では夜間頻尿が生存率に関係するというデータが出ています。70歳以上の男性で、夜間に3回以上起きる人はそうでない人に比べ生存率が低いという結果でした。夜間頻尿そのものが命を縮めるのでなく、夜間頻尿のある高齢者は心臓病や糖尿病など基礎疾患があるためといえます。治療は、もともとの原因を調べて、まずは生活指導をし、治らない場合は薬物治療をします。

また、夜間頻尿の原因として夜間多尿の場合もあります。夜間多尿指数や原因疾患を調べる事などが重要となります。「男性における夜間多尿による夜間頻尿」に対して、V2受容体作動薬デスモプレシンが適応となったため、男性では生活指導および行動療法による効果が得られない場合に使用します。

 

・前立腺肥大症

 

前立腺は男性の膀胱の出口にある臓器です。前立腺が大きくなると尿道を圧迫し、尿勢低下や、頻尿、尿の切れの悪さなどの症状が出ます。40代ごろから増え始め、70代では約8割、80代では約9割近くをしめます。そのうちの4人に1人は治療が必要な状態です。
治療は自覚症状や排尿状況の重症度によって違います。症状の軽い場合は薬物療法、血尿や尿路感染など合併症を認める場合は外科的治療を行います。

 

 

 

 

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