尿路結石
症状
- 背中が痛い
- 腰が痛い
- 下腹部が痛い
- 血尿が出る
「3大激痛」のひとつや、「痛みの王様」と異名をとるほど激しい症状に見舞われる事があります。
尿路結石
腎臓、尿管、膀胱、尿道と尿の通り道に、尿に含まれるカルシウム・シュウ酸・尿酸・リン酸などが結晶化した結石ができる病気です。痛みの原因としては、結石が尿管に詰まり、尿の圧力が高まって尿管がけいれんし、神経を刺激するためなどが考えられています。また、結石を治療せず放置した際に、腎盂腎炎などの重篤な感染症や腎機能の低下などを引き起こす事もあります。
検査、治療
自覚症状の確認、尿・血液検査、超音波検査やレントゲンなどの画像診断によって診断を行います。尿路結石があった場合には、結石の大きさや場所、尿路の閉塞状態などを考慮し、治療方針を検討していきます。結石が自然排石可能と判断された場合は、薬物治療などを行います。外科的な治療が必要と判断した場合は、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)、また内視鏡による内視鏡下結石破砕術(TUL)などの選択肢があるため、患者さんと相談し、適切な連携病院に紹介致します。
再発予防の重要性
尿路結石は元々、中年男性に多くみられました。しかし、肉類など動物性タンパク質の摂取量の増加など食生活の洋風化により、若年化が進んでおり、最近は女性にも増えています。
また、尿路結石は、治療しても再発を繰り返す人が多く、食事指導や生活指導が適切になされなければ80~90%が再発します。専門医に通院し、飲水摂取の励行など指導を受けたのみで再発率が低下することも報告されています。破砕治療後や自然排石後にも継続した治療が重要です。
尿路結石はメタボリックシンドロームの危険因子としても注目されており、結石の予防や症状の改善には、食生活と運動が重要となります。動物性たんぱく質に含まれる、窒素や硫黄が分解されると酸ができます。腎臓から酸を排泄すると尿が酸性になり、シュウ酸カルシウム結石や尿酸結石ができやすくなります。食生活の基本として、シュウ酸などを増やす肉類などの動物性タンパク質の量を控え、野菜類を多くしたメニューを取り入れるようにしましょう。高尿酸尿の場合は、プリン体の多い食物を制限する食事指導が行いましょう。当院では、栄養指導も行っていますので、気軽に相談ください。