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血尿

症状

  • 尿に血が混じっている
  • パッドなどに血液が付着している
  • 健診や他の病気の検査で尿潜血などを指摘された

尿潜血とは

検尿は健康診査で調べられる基本項目で、ほぼ生涯にわたり受けると思われます。その中で、血尿はきわめて頻度が高い症候です。

尿潜血などが発見される頻度は、男女別ではすべての世代で女性の陽性率が高く、全般に加齢により男女とも上昇すると言われています。原因としては、悪性腫瘍や尿路結石、膀胱炎などの細菌による炎症、腎臓の病気など様々なものがあります。膀胱がんの場合、85%は肉眼的血尿を契機として発見されると言われています。膀胱がんなどが含まれる尿路上皮がんは、男性では全悪性腫瘍のうちの約 10%を占め、女性では約 3%を占めるといわれています。尿路上皮がん罹患年齢は男女とも 45 歳ころから増加し始め、60 歳以上で急に増加します。尿路上皮癌の危険因子として、40 歳以上の男性、喫煙、有害物質への暴露、肉眼的血尿、泌尿器科疾患の既往、排尿刺激症状、尿路感染の既往、フェナセチンなどの鎮痛剤多用、骨盤放射線照射既往、シクロホスファミドの治療歴などがあげられます。これらの危険因子をもつ場合には積極的に,侵襲的検査である膀胱鏡も含めた尿路上皮がんのスクリーニング検査を行うべきであると考えられています。病気を早期に見つけるためには、健診や人間ドックなどの尿検査を受ける事が重要です。

 

肉眼的血尿とは

肉眼的血尿は、小児や若年者を除くと、泌尿器疾患によることがほとんどといわれています。肉眼的血尿が強いほど、疾患が多く発見されると報告されています。

 

1. 尿路上皮がん(膀胱がん,腎盂尿管がんなど)

50歳以上の血尿で最も多い原因は膀胱がんです。膀胱がんの80%以上が血尿を主訴としています。膀胱癌に伴う血尿は間欠的血尿で、検査時に血尿がなくても過去の血尿の有無も重要となります。腎盂尿管がんの初期症状として肉眼的血尿を約60%に認めます。腎盂尿管がんの20–30%に側腹部痛を伴うといわれています。膀胱がんなどの尿路上皮がんの病因はいろいろ考えられていますが、喫煙習慣、フェナセチン常用者、アリルアミン化合物暴露の既往、シクロホスファミドなどの化学療法の既往、骨盤部の放射線照射の既往などのある方は、膀胱がんなどの尿路上皮がんの可能性を考慮します。

2. 腎がん

以前は側腹部痛、血尿、腹部腫瘤が腎癌の3大症状といわれていましたが、現在では健診などで偶然発見されるものが大勢を占めています。しかし,肉眼的血尿では常に念頭に置く必要のある疾患です。

3. 前立腺肥大症

前立腺肥大症で手術適応の10%程に肉眼的血尿を認めるといわれています。血尿を伴う前立腺肥大症組織は微細血管密度が著しく高く、血尿発生に重要な役割を演じていると報告されています。

4. 腎動静脈奇形

腎動静脈奇形は比較的まれな疾患ですが、先天性腎動静脈奇形であるcirsoid typeの主訴のほとんどが、肉
眼的血尿といわれています。

5. 腎梗塞

腎梗塞は、腎動脈あるいはその分枝の閉塞によって腎組織の急激な壊死を起こす疾患で、腎動脈塞栓または腎動脈血栓により発症します。腎梗塞は種々の原因で発症し、主に側腹部痛を伴いますが、肉眼的血尿を認めることもあります。

6. 糸球体疾患

肉眼的血尿を呈する糸球体疾患としては、IgA腎症と溶連菌感染後急性糸球体腎炎、半月体形成性腎炎が重要です。慢性腎炎症候群の中の一疾患であるIgA腎症は反復性の肉眼的血尿を認めることがあります。

7. 尿路結石症

尿路結石症の主症状は側腹部や背部痛ですが、ほとんどで血尿を伴っています。ときに、肉眼的血尿が唯一の主訴であることもあります。

8. 出血性膀胱炎

出血性膀胱炎の原因はいろいろ考えられますが、化学物質による膀胱出血、特異体質や免疫原性の薬剤反応
による膀胱出血、ウイルス感染による膀胱出血、原因不明の膀胱出血などがあります。

9. 特発性腎出血

通常の泌尿器科的検査を行ってもその原因がつかめないものを総称して特発性腎出血とよんでいます。

 

血尿を指摘された場合には、無症状だからとほうっておかず、専門医の受診をお勧め致します。

 

検査、治療

尿検査の他、細菌培養検査、細胞診検査、腹部超音波検査などを行います。これらの検査は痛みなど体への侵襲なく行う事が出来ます。必要に応じて、レントゲン検査や膀胱鏡を用いた精査などを行っていきます。膀胱鏡に関しても当院では痛みの少ない柔らかい軟性鏡を導入しており、出来るだけ負担が少ない検査を心掛けております。

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