メニュー

前立腺がん

前立腺とは

前立腺は、男性だけにある生殖器官です。前立腺は直腸と恥骨の間にあり、膀胱の出口で尿道を取り囲んでいます。 骨盤内にある臓器であり、体表から触診する事は出来ません。肛門から指を入れると、直腸ごしに前立腺に触れることができるため、前立腺がんの検査法として直腸診が実施されることがあります。前立腺の後方には左右の精のうがあり、ここから射精管が前立腺の中央部を通って尿道に通じています。

前立腺は、前立腺液といわれる精液の一部を作り、精子に栄養を与えたり、精子を保護する役割を持っています。 また、発生から増殖、成長までと男性ホルモンを必要とする“男性ホルモン依存性”である、ということも大きな特徴です。

症状

前立腺がんの自覚症状は、病気の進行によって変わってきます。前立腺がんは、ほとんどが尿道から離れた辺縁領域(外腺)に発生します。早期の場合すぐに尿道を圧迫することはないので、多くの場合自覚症状を認めません。しかし、病気が進行し、腫瘍が大きくなり尿道や膀胱を圧迫するようになると、尿が出にくくなったり、排尿時に残尿感、あるいは痛みを感じる、排尿回数が多い頻尿など、前立腺肥大症と同じような排尿障害が起こります。また、尿や精液に血が混じるといった症状が見られることもあります。

さらに、進行すると、血液やリンパ液を介して骨やリンパ節などに転移するようになります。特に、前立腺がんは骨やリンパ節に転移しやすい特徴があり、がんが骨に転移した場合は、腰痛や四肢痛などがみられるようになります。

前立腺がん

前立腺がんは、高齢の男性に多い病気です。昔に比べて増加しており、社会全体の高齢化、食生活の欧米化などから、今後も増加傾向が続くと予測されています。初期のうちは症状がほとんどないことが多いので、早期発見、早期治療がとても大切です。そのためには正しい知識を持つこと、前立腺がんの検診を受けること、この2つが極めて重要になります。

前立腺がんの罹患率は、60歳ごろから高齢になるにつれ、著しく高くなります。男性ではもっとも罹患率が高いがんです。(前立腺がん、胃がん、大腸がん、肺がん)

前立腺がんのリスク因子の1つは年齢で、前立腺がんは高齢になるほど発症しやすくなります。家族歴もリスクを高める要因として、明らかにされています。

検査、治療

PSA検査は、採血で調べる検査です。前立腺に特異的なタンパク質の一種(前立腺特異抗原)の値を測定します。スクリーニング検査の中でも、精度が高く、簡便に受けることができます。PSAの値が高くなると、前立腺がんである確率も高くなります。前立腺肥大症や前立腺炎でもPSA値が高値となることもあるので、PSA値だけで前立腺がんかどうかを判断することができませんが、前立腺がんを拾いだすスクリーニング検査法としての有用性は高く、前立腺がんの早期発見に大きく貢献しています。
PSAが高く、前立腺がんが疑わしい場合は、さらに他の検査を追加で行って、診断精度を高めています。PSAの値の変動があるか再検をしたり、直腸診で前立腺の大きさや硬さを確認したりします。また超音波検査やMRIなどの画像検査で前立腺の大きさの測定や形態を確認することもあります。さらに、問診や検尿などで炎症があるかどうかなども確認します。このように総合的に診察を行っていきます。

精密検査(前立腺針生検)の必要がある場合は、患者さんと相談し、連携病院に紹介致します。また、前立腺がんと診断された場合も、当院でPSAのフォローやホルモン治療などを行う事が出来ますので、連携病院と協力しながら、最後まで責任をもってフォロー致します。

採血検査でPSA高値を指摘された場合や気になる症状がある場合などは、放置せず気軽に当院にご相談ください。

前立腺がんと診断された患者さんへ

前立腺がんの治療法としては

  • 手術療法(ロボット手術など)
  • 放射線治療(IMRTなど)
  • 小線源治療
  • ホルモン治療(内分泌療法)
  • 監視療法

などがあります。

当院では、ホルモン治療(注射によるもの)と監視療法を行っています。
また、他院で施行した手術や放射線治療後のPSAフォローに関しても行っています。

ホルモン治療

前立腺癌は男性ホルモンに依存するので男性ホルモンを抑える事でがんの進行を抑える治療で、すべての前立腺癌に可能です。

前立腺の癌細胞は、男性ホルモンの影響を受けます。この治療法は男性ホルモンを下げることにより、前立腺癌の増殖を抑えることができます。当院では男性ホルモンを下げる注射を定期的に行います。また、これらの方法に、男性ホルモンを下げる飲み薬を追加する場合もあります。手術や放射線療法に比べて体への負担は少ない治療です。

副作用としては、ほてり、発汗、男性機能障害、肥満、高脂血症、肝機能障害、骨粗鬆症、手のこわばり、まれに薬剤による間質性肺炎などがありますが、これらがすべて起こるという意味ではございません。

 

ロボット手術

現在の外科手術では、胸部や腹部に内視鏡や鉗子などの器具を挿入し、モニターをみながら執刀する「内視鏡手術」が普及しています。これを、さらに安全性を高めて手術ができるように進化させたのがロボット手術「ダヴィンチ」です。ただ、すべてが自動化され、ロボットが勝手に手術をするということではありません。あくまで術者がより正確、確実に執刀できるように支援するシステムです。

「ダヴィンチ」のもつ『滑らかな操作が可能な鉗子』、『高画質の3D画像』、『医師の手の動きを縮小して伝える機能』、『手の震えを制御する機能』などを活用することで、より安全・確実に手術を行うことが可能になると考えられています。

日本では、2012年4月に「ダヴィンチ」が前立腺全摘除術に対して初めて保険適応が認められました。患者さんの体に与える負担が小さい、出血が少ないなどロボット手術のメリットをはじめ、改めてその有用性と可能性が認識されるようになりました。泌尿器科領域だけでなく、消化器外科や胸部外科、婦人科の手術などにもこのロボットの利用が広がっており、今後の更なる展開が期待されています。当院医師もこちらのロボット手術に携わっており、症例も積んでおります。

 

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME