産後の尿トラブル
症状
- くしゃみや咳をしたり、笑ったりした時に尿失禁をしてしまう
- 産前のような排尿の勢いがなくなった
- 尿意を感じない
- 残尿感を感じる
産後の排尿障害
分娩時の胎児の下降により膀胱などが圧迫され、知覚神経麻痺により一過性の尿閉や尿意減弱などの排尿障害が起こることがあります。また、主産で骨盤底筋が圧迫されたり、骨盤底筋が傷ついてしまうこともあります。そのため、たわんだ骨盤底筋が尿道を締める事ができず、尿漏れが起こってしまいます。
産後の尿漏れは、生理的なものといえるので、順調であれば産後1~2ヶ月ほどで自然に治ることも多くあります。産後2ヶ月以降は、骨盤底筋体操などで骨盤底筋を鍛えるのが効果的です。骨盤底筋を鍛える体操は、正しい姿勢で根気強く持続する事が重要です。
尿漏れが改善しない場合でも体操を継続することをお勧めしますが、体操のほかに薬物療法などを併用する事でも症状の改善が期待されます。当院では症状を改善する内服薬や漢方薬の処方などの薬物療法を行っております。
また、尿漏れ以外に、トイレの回数が多い、残尿感がある、排尿痛がある、尿が濁るなどの症状がある場合は、膀胱炎の可能性もあるため、気軽に相談頂けたらと思います。
骨盤底筋体操に関して
骨盤底筋が締まる事を確認してください。
(膣を締めるのは、身体の中にひっぱりこむような感じで、おしっこを我慢しているときをイメージしてください。)
①仰向けの姿勢で
・仰向けに寝て、足を肩幅に開きます。
・ひざを少し立て、身体の力を抜き、肛門と膣を締めたまま、ゆっくりと5つ数えます。
(もし途中で力が抜けてしまったら、また締め直します。)
②机にもたれた姿勢で
・机のそばに立ち、足を肩幅に開きます。
・手も肩幅に広げて、机につけます。
・そのままの姿勢で、体重を全部腕にのせます。背中をまっすぐ伸ばして、頭を上げて前を見ます。
・肩とお腹の力を抜いて、肛門と膣を締めます。
(骨盤底筋の動きをもっとも感じやすい姿勢です。)
③ひじやひざをついた姿勢で
・床にひざをつき、クッションなどの上にひじを立てて手をあごにのせます。
・肛門と膣を締めたまま、ゆっくりと5つ数えます。
・5つ数えたら力を抜き、また締めます。
(締めたりゆるめたりを繰り返しましょう。)
④座った姿勢で
・床につけた足を肩幅に開き、背中をまっすぐに伸ばして、頭を上げて前を見ます。
・肩の力を出来るだけ抜き、お腹が動かないように、また力がお腹に入らないように気を付けながら、ゆっくり肛門と膣を締めます。